2026年6月11日、ソニーがXperia 1 VIII(型番XQ-GE44)を発売しました。
前モデルのXperia 1 VIIは2025年6月に登場しています。1年ぶりの世代交代で、ソニーが最初に打ち出しているのが望遠カメラです。センサーは前モデル比で約4倍の大きさになりました。
ただ、公式の仕様表を並べてみると、望遠カメラは「良くなった」だけではありません。85mmから170mmまで連続して変えられたズームが、なくなっています。
この記事は実機を使ったレビューではありません。ソニーの公式仕様データとソニーストアの販売ページを突き合わせて、2機種の差分を整理したものです。数値はすべて出典を記事末に記載しています。
先に結論
- 望遠を85-170mmのズームとして日常的に使っていたなら、Xperia 1 VIIIは買い替えで不便になる可能性があります
- 暗い場所での望遠・テレマクロが目的なら、Xperia 1 VIIIの望遠センサー大型化は効きます
- イヤホンジャックとmicroSDが乗り換え理由なら、Xperia 1 VIIでも同じです。しかも約4.6万円安く買えます
変わった点
ソニー公式の仕様データで、実際に記載が異なる項目だけを抜き出しました。
| 項目 | Xperia 1 VII | Xperia 1 VIII |
|---|---|---|
| CPU | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite Gen 5 |
| 望遠センサー | 1/3.5型 Exmor T for mobile | 1/1.56型 Exmor RS for mobile |
| 望遠の焦点距離 | 85-170mm | 70mm / 140mm |
| 望遠の有効画素数 | 約1200万画素(85-170mm) | 70mm: 約4800万画素(記録約1200万画素)/140mm: 約1200万画素(記録約1200万画素) |
| 望遠のF値 | F2.3-3.5 | F2.8 |
| RAM/ROM | 12/256、12/512、16/512 | 12/256、12/512、16/512、16GB/1TB |
| ZEISS T*コーティング | 記載あり | 全レンズ対応 |
| ミラーリング | ー(非対応) | Google Cast対応(スクリーンミラーリングは非対応) |
| サイズ | 約74×約162×約8.2mm | 約74×約162×約8.3mm |
| 重さ | 約197g | 約200g |
| カラー | 3色 | 4色(ネイティブゴールドはSIMフリー限定) |
撮影機能では、Xperia 1 VIIIに次の4点が加わりました。
AIカメラアシスタントは、被写体やシーンをAIが認識して撮影設定を4種類提案する新機能です。選んだ設定は明るさやホワイトバランスを調整したうえで、カスタムルックとして登録できます。ソニーは撮影環境によって認識や提案がされない場合があると注記しています。
RAWマルチフレームプロセッシングは新たに開発された処理技術です。RAWデータを重ね合わせることで、静止画のノイズ・解像・HDR性能が上がるとソニーは説明しています。
テレマクロの扱いも変わりました。Xperia 1 VIIでは焦点距離120mmのみ、しかもマニュアルフォーカスでの対応でした。Xperia 1 VIIIは望遠レンズを選ぶだけで最短15cmまで寄れて、AFとタッチフォーカスが使えます。ここは素直に使いやすくなった部分です。
オートフレーミングは望遠レンズでも動くようになり、3眼すべてでデジタルズームが可能になりました。
望遠センサー「約4倍」の中身
センサーサイズは1/3.5型から1/1.56型へ。ソニーはこれを前モデル比で約4倍と説明していて、3眼すべてがフルサイズセンサー搭載デジタルカメラ並みの暗所撮影性能になったとしています。この比較の条件は「LV2以下の照度環境における静止画の耐ノイズ性能およびダイナミックレンジ」で、ソニー製フルサイズ機との比較だと注記されています。夜景や暗い室内で望遠を使ったときに差が出る、という話です。
有効画素数も約1200万画素から約4800万画素になりました。ただし70mm撮影時に記録される画素数は約1200万画素です。有効画素数と記録画素数は別物なので、「4800万画素の写真が撮れる」わけではありません。
もう1つ、140mm撮影時は有効画素数も約1200万画素です。4800万画素は70mmのときの話で、望遠側に振るとXperia 1 VIIと同じ画素数に戻ります。
問題は焦点距離です。
Xperia 1 VIIの望遠は85mmから170mmまで、途中の画角を含めて連続して変えられる光学ズームレンズでした。ソニーの表現では3.5倍から7.1倍までシームレスにズームできる、というものです。運動会で子どもを追う、ステージ上の演者を寄りで撮る、といった用途では、この「途中で止められる」性質がそのまま使い勝手になります。
Xperia 1 VIIIの望遠は70mmです。そこから、公式仕様表で「70mmからの光学2倍相当」とされる140mmが選べます。公式の焦点距離の並びは16mm / 24mm / 48mm / 70mm / 140mmで、85mmから170mmの間を自由に動かす、という書かれ方はしていません。85mmや120mmといった中間の焦点距離は、公式が挙げる光学の並びに入っていません。光学の焦点距離そのものがなくなったわけではなく、連続して変えられる範囲が2つの点に整理された、という変更です。
つまり、望遠側の到達点は170mmから140mmに短くなりました。
一方で、140mmのF値はF2.8です。Xperia 1 VIIの170mm側はF3.5でした。センサーも約4倍の大きさになっています。数字だけ見れば、Xperia 1 VIIIの140mmはXperia 1 VIIの170mmより暗所に強い条件がそろっています。
ここは「良くなった/悪くなった」のどちらか一方では言えない変更です。遠くのものを大きく写す力は下がり、暗いところで望遠を撮る力は上がった。自分がどちらの場面で望遠を使っているかで、評価が逆になります。
なお85mm側についても、F2.3からF2.8へと数値上は暗くなっています。センサー面積が増えているぶんの受光量とどちらが効くかは、公式の仕様データだけでは判断できません。実写での比較が要ります。
変わっていない点
買い替えを考えるとき、こちらのほうが効いてくるかもしれません。ソニー公式の仕様データで記載が完全に一致している項目です。
| 項目 | 両モデル共通 |
|---|---|
| ディスプレイ | 約6.5インチ 有機EL Full HD+ リフレッシュレート1〜120Hz可変 HDR対応 |
| バッテリー容量 | 5000mAh |
| 充電まわり | いたわり充電、ワイヤレス充電 |
| 外部メモリー | microSDXC(最大2TB) |
| オーディオジャック | 3.5mm |
| 超広角センサー | 1/1.56型 Exmor RS for mobile |
| 広角センサー | 1/1.35型 2層トランジスタ画素積層型CMOS Exmor T for mobile |
| 超広角・広角の画素数 | 16mm・24mmとも有効約4800万画素(記録約1200万画素) |
| フロントカメラ | 有効約1200万画素/F2.0 |
| 防水・防塵 | IPX5/IPX8、IP6X |
| 生体認証 | 指紋 |
| Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be |
| Bluetooth | ver.6.0、LE Audio、Auracast |
| OS更新 | 最大4回のOSバージョンアップ、6年間のセキュリティアップデート |
カメラ3眼のうち2眼、画面、バッテリー、防水、通信まわりは据え置きです。世代交代の中身が望遠カメラとCPUにかなり集中している、という見方ができます。
イヤホンジャックとmicroSDは新しい魅力ではない
Xperia 1 VIIIで話題になりやすいのが、3.5mmオーディオジャックとmicroSDカードスロットです。有線イヤホンを挿せて、記録容量をカードで増やせる。
他社のハイエンド機を1つ見ると、Appleの公式仕様ページではiPhone 17 Proのコネクタとして記載があるのはUSB-Cのみで、3.5mmオーディオジャックとメモリーカードスロットの記載はありません。他社の全機種を調べたものではありません。
ただし、この2つはXperia 1 VIIIで復活したものではありません。Xperia 1 VIIにも同じように載っています。microSDXCの最大2TB対応も共通です。
この2点が乗り換えの理由なら、新型を待つ必要はありませんでした。安いほうで足ります。
価格差はいくらか
ソニーストアの販売価格を、同じRAM/ROM構成で並べたものです。いずれも税込、2026年7月26日時点。
| 構成 | Xperia 1 VII | Xperia 1 VIII | 差額 |
|---|---|---|---|
| 12GB/256GB | 189,200円 | 235,400円 | 46,200円 |
| 12GB/512GB | 209,000円 | 251,900円 | 42,900円 |
| 16GB/512GB | 234,300円 | 268,400円 | 34,100円 |
| 16GB/1TB | 該当構成なし | 299,200円 | 比較対象なし |
同じ12GB/256GBで比べると4万6200円の開きがあります。なお、Xperia 1 VIIの発売時価格はソニー公式で確認できなかったため、この記事では現在の販売価格だけを扱っています。
16GB/1TBはXperia 1 VIIIだけの構成です。4K動画を本体に貯め込む使い方をしていて、microSDでは足りないなら、選択肢はXperia 1 VIIIしかありません。
どちらを選ぶか
Xperia 1 VIIIが向いている人
- 望遠を暗い場所で使うことが多い人。夜の街、屋内のステージ、照明が弱い会場での撮影が中心なら、望遠センサーの大型化はそのまま効きます
- 望遠でのマクロ撮影をよく使う人。マニュアルフォーカス限定だったテレマクロがAF対応になり、最短15cmまで寄れます
- 1TBストレージが要る人。Xperia 1 VIIに該当構成がないため、比較の余地がありません
- カメラの設定を自分で詰めるのが苦手で、AIの提案から選びたい人
Xperia 1 VIIで足りる人
- 望遠を85-170mmのズームとして使っていた人。焦点距離が70mmと140mmの2点に整理されたぶん、同じ使い方はできません。買い替えて「前のほうが撮りやすかった」となるリスクがあります
- イヤホンジャックとmicroSDが目当ての人。両方Xperia 1 VIIにあります
- カメラをほぼ使わない人。画面もバッテリーも防水も同じなので、4万6200円ぶんの理由が見つかりません
いちばん重く見るべきなのは、望遠の焦点距離が変わったことです。CPUの世代差やAI機能の追加は、日常の操作で「困る」方向には働きません。望遠の仕様変更だけが、人によっては前モデルより不便になる変更です。ここを自分の使い方に当てはめてから、価格差を見るのが順番として無理がありません。
編集部の選択
いま新品で買うなら、望遠を主目的にしていない限りXperia 1 VII(12GB/256GB・189,200円)です。画面・バッテリー・防水・イヤホンジャック・microSDが同じで、4万6200円安い。この差額でmicroSDカードと有線イヤホンを買っても、まだ釣りが来ます。
望遠が主目的なら話は変わります。夜の望遠とテレマクロについては、Xperia 1 VIIIのほうが条件がそろっています。ただしその場合も、170mmまで届かなくなることを納得したうえで選んでください。
判断が割れるのは「望遠はたまに使う」層です。この層については、公式の仕様データだけでは優劣を出し切れません。ただし、いま急いで決める理由も薄い。140mmまでで足りるのか170mmが要るのかは、手元の写真を見返せば自分で答えが出ます。
出典と確認日
最終確認日: 2026年7月26日
- ソニー「Xperia 1 VIII」製品ページ https://www.sony.jp/xperia/products/xperia1m8/
- ソニー「Xperia 1 VIII」仕様(スペック)https://www.sony.jp/xperia/products/xperia1m8/spec.html
- ソニー「Xperia 1 VII」製品ページ https://www.sony.jp/xperia/products/xperia1m7/
- ソニー「Xperia 1 VII」仕様(スペック)https://www.sony.jp/xperia/products/xperia1m7/spec.html
- ソニー ニュースリリース「『Xperia 1 VIII』発売」(2026年5月13日)https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/202605/26-0513/
- ソニーストア「Xperia 1 VIII(XQ-GE44)購入」https://pur.store.sony.jp/xperia/products/xperia1m8/xperia1m8_purchase/
- ソニーストア「Xperia 1 VII 購入」https://pur.store.sony.jp/xperia/products/xperia1m7/xperia1m7_purchase/
- Apple「iPhone 17 Pro 技術仕様」https://www.apple.com/jp/iphone-17-pro/specs/
本記事は実機を使用していません。ソニーおよびAppleの公式情報と、ソニーストアの販売ページに基づく整理です。
価格・在庫・仕様は変わります。購入前に各販売ページで最新の情報を確認してください。


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