2026年2月25日、ASUSが14型のZenbook S14に新しい型番を追加しました。UX5406AA。Core Ultra 9 386Hに32GBメモリと1TB SSD、2,880×1,800の有機ELを載せて、本体は約1.2kgです。
ややこしいのは、この機種を検索したときに出てくる情報の大半が「別の型番」のものだという点でした。
この記事の前提
実機は使っていません。以下はASUS公式サイトの製品仕様ページと、2026年2月25日付のASUS公式ニュースリリースを突き合わせて整理した内容です。使用感・実測値の記述は含みません。
最終確認日: 2026年7月26日(価格・仕様は変動します)
UX5406「AA」と「SA」は中身が違います
Zenbook S14には、外側がほぼ同じで型番の末尾だけが違うモデルが並んでいます。
- UX5406AA … インテル Core Ultra 9 プロセッサー 386H を搭載。NPUは最大50 TOPS
- UX5406SA … インテル Core Ultra 7 プロセッサー 258V など、末尾がVのプロセッサーを搭載。NPUは最大47 TOPS(Intel AI Boost)
NPUの数字だけ見ると47と50で近いのですが、載っているプロセッサーの系統が違います。SAは末尾がVの258V、AAは末尾がHの386H。ASUS公式の仕様表でも、この2つは別のプロセッサーとして記載されています。
型番の末尾2文字。ここだけです、見分けるポイントは。「UX5406 レビュー」で検索して出てきたページが、AAの話なのかSAの話なのかは、記事タイトルではなく仕様表の型番欄を見ないと判別できません。中古・型落ち在庫を扱うショップのページだと、シリーズ名だけ書いて末尾を省略しているケースもあります。
購入前にチェックする箇所を1つだけ挙げるなら、注文画面の型番がUX5406AA-T3U9321WHS(白)かUX5406AA-T3U9321GRS(グレー)になっているかどうかです。
公式仕様(ASUS公式サイト掲載分)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型番 | UX5406AA-T3U9321WHS(白)/UX5406AA-T3U9321GRS(グレー) |
| CPU | インテル Core Ultra 9 プロセッサー 386H(16コア16スレッド/最大4.9GHz/18MBキャッシュ) |
| NPU | 最大50 TOPS |
| グラフィックス | インテル グラフィックス(CPU内蔵) |
| メモリ | 32GB LPDDR5X-8533(オンボード) |
| ストレージ | 1TB PCIe 4.0 x4 NVMe M.2 SSD |
| ディスプレイ | 14.0型 有機EL 2,880×1,800/120Hz/グレア/タッチ対応/DCI-P3 100%/DisplayHDR True Black |
| インターフェース | Thunderbolt 4(Type-C・Power Delivery対応・映像出力対応)×2 / USB 3.2(Type-A・Gen2)×1 / HDMI×1 / ヘッドホン・ヘッドセットコンボジャック×1 |
| 無線 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)/Bluetooth 6.0 |
| カメラ | 207万画素 赤外線(IR)カメラ内蔵・顔認証対応 |
| バッテリー | 77WHrs |
| 電源 | Type-C 68W ACアダプター(100W USB-C PDでの急速充電に対応) |
| 本体 | 厚さ11.9〜12.9mm/質量 約1.2kg/Ceraluminum筐体 |
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| ASUS想定価格 | 379,800円(税込) |
| 発表・発売 | 2026年2月25日発表/2026年3月下旬以降 発売予定(2026年2月25日発表時点の表記) |
14型・1.2kgで、写真と動画を持ち出せるか
このスペック表を写真・動画編集の目線で読み替えると、強い部分と割り切りが要る部分がはっきり分かれます。
強いのはディスプレイです。DCI-P3 100%とDisplayHDR True Black認証は、色を触る作業の土台になります。2,880×1,800はLightroomやPhotoshopのパネルを開いたまま画像を等倍近くで見られる密度です。有機ELなので、黒の表現は画素ごとの発光を止める方式で、バックライトを持つ液晶とは原理が違います。120Hzはスクロールとタイムライン操作の追従に効いてきます。
メモリは32GB。写真の現像や1080p〜4Kの短尺編集なら足りる容量ですが、LPDDR5Xのオンボード実装なので後から増設できません。3年後に「64GBにしておけばよかった」となっても打つ手がない、という前提で選ぶ必要があります。
一方で、グラフィックスはCPU内蔵のみです。
公式仕様表に載っているのは「インテル グラフィックス(CPU内蔵)」だけで、外部GPUの記載はありません。長尺4Kのマルチカム編集や3Dレンダリングを日常的に回すなら、GPU搭載機と比べたうえで決めたほうがいい構成です。この機種が噛み合うのは「撮影現場でセレクトと一次補正まで済ませ、本編集は別のマシンでやる」という分業か、SNS・Web納品向けの短尺完結でしょう。
ストレージの1TBも、RAW中心で撮る人には数か月分の作業領域という感覚です。外付けSSDの併用が前提になります。
いちばん引っかかるのは、SDカードスロットがないこと
Thunderbolt 4が2つ、USB 3.2 Type-Aが1つ、HDMIが1つ、コンボジャックが1つ。カードリーダーはありません。
メリットとデメリットを並べたとき、このモデルで一番重く見るべきなのはここです。ディスプレイもCPUも上位クラスに振ってあるのに、カメラから写真を吸い出す最短経路が本体に用意されていません。撮影に持ち出すなら、USBカードリーダーを常に鞄に入れることが確定します。
しかも給電はType-Cです。68WのACアダプターを挿すとThunderbolt 4が1つ埋まるので、充電しながらカードリーダーと外付けSSDを両方繋ぐ場面では、残るType-C 1つとType-A 1つで足りるかを事前に数えておく必要があります。厳しければUSB-Cハブが1個追加。
11.9mmという薄さと引き換えに削られた部分、と読むのが素直です。薄型軽量を優先する設計としては筋が通っていますが、「カードリーダー内蔵の14型を探していた」人にとっては、ここが分岐点になります。
公式サイトで確認できなかった項目
バッテリー駆動時間の公称値がありません。容量は77WHrsと明記されているのに、駆動時間はニュースリリースの仕様表で「計測中」のままで、製品仕様ページにも時間表記がありませんでした。容量だけならDell XPS 14の70WHrを上回りますが、駆動時間は容量だけでは決まりません。
ディスプレイの最大輝度(nit)も見当たりませんでした。色域とHDR認証は載っているのに、輝度の数値がありません。屋外で開く前提の人は、店頭で実物を確認したほうが確実です。
同時期の14型と並べる
同じくCore Ultraシリーズの上位を積んだ14型と横並びにします。数字はいずれもメーカー公式サイト掲載分です。
| Zenbook S14 UX5406AA | Zenbook DUO UX8407AA | Dell XPS 14 DA14260 | |
|---|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 9 386H | Core Ultra X9 388H/Core Ultra X7 358H | Core Ultra 5 325/Core Ultra X7 358H |
| ディスプレイ | 14.0型 有機EL 2,880×1,800/120Hz | 14.0型 有機EL 2,880×1,800/144Hz を2画面 | 14.0型 1,920×1,200 液晶 または 2,880×1,800 有機EL/1〜120Hz |
| メモリ | 32GB LPDDR5X-8533 | 32GB LPDDR5X | 16GB/32GB LPDDR5X |
| ストレージ | 1TB | 1TB(512GB構成あり) | 512GB〜 |
| バッテリー | 77WHrs | 99Wh | 70WHr |
| 端子 | TB4×2/USB-A×1/HDMI×1 | TB4×2/USB-A×1/HDMI×1 | Thunderbolt 4×3(USB-Aなし) |
| 質量 | 約1.2kg | 約1.35kg(本体のみ)/約1.65kg(Bluetoothキーボード込み) | 1.36kg(有機EL)/1.38kg(液晶) |
| 価格(税込) | 379,800円 | 499,800円 | 320,600円〜(基本構成) |
条件別に整理します。
画面の面積を増やしたい人はDUO。 14型の有機ELが2画面で、UX5406AAとの差額は12万円です。重量差は本体同士で約0.15kg、Bluetoothキーボードを持ち出すなら約0.45kg。2画面を外で使うならキーボードが要るので、比較すべきは1.65kgのほうです。バッテリーは99Whと大きく、画面が2枚ある分の消費を積んだ設計になっています。
端子構成で選ぶならUX5406AAとDUOは同条件。 両機ともThunderbolt 4×2、USB Type-A×1、HDMI×1で並びます。差が出るのはXPS 14で、こちらはThunderbolt 4が3つある代わりにType-Aがなく、古いカードリーダーやマウスレシーバーを使うなら変換が要ります。なおカードリーダーは3機種とも非搭載です。
予算を30万円台前半で抑えたい人はXPS 14の基本構成。 ただし基本構成のCPUはCore Ultra 5 325、ストレージは512GBです。UX5406AAと同等のメモリ・ストレージまで積み上げると価格差は縮まるので、比べるなら構成を揃えてから見積もりを取ってください。
価格をどう見るか
ASUS想定価格は税込379,800円です。同じ14型で見ると、Dell XPS 14の基本構成が320,600円から。ただしXPS 14の基本構成はCore Ultra 5 325・512GBなので、構成を揃えないと比較になりません。
構成にはMicrosoft 365 Personal(24か月版)が付きます。ASUS公式の仕様ページではOffice Home & Business 2024との選択肢として記載されているため、販売店や購入時期によって同梱内容が変わる可能性があります。同梱の有無で実質負担が変わるので、注文確定前に構成欄を確認してください。
実売価格は販売店ごとに動きます。この記事では想定価格のみを載せています。購入前に販売ページで現在の価格を確認してください。
買う判断と、見送る判断
買っていいと思うのは、次の条件に当てはまる人です。
- 色の正確さを求める作業(写真の現像、サムネイル制作、Web用の色調整)を、外に持ち出してやる人。DCI-P3 100%と2,880×1,800を1.2kgで運べる選択肢は多くありません
- カードリーダーやハブを持ち歩くことを、すでに習慣にしている人。SDスロットの不在が実質的な減点にならない
- 5年前後使うつもりで、初期投資を許容できる人。メモリ増設ができない以上、32GBで足りる用途かを先に確定させてから買う
見送ったほうがいい条件も挙げます。
- 長尺4Kやマルチカムを常時回す人。内蔵グラフィックスのみの構成なので、GPU搭載機を見たほうが早い
- 2画面で編集したい人。同じASUSのDUOが差額12万円で、キーボード込み1.65kgという別の選択肢になります
- バッテリー駆動時間の公称値を判断材料にしたい人。数字が出てからで遅くありません
編集部として1つ選ぶなら、「撮影して、その場でセレクトと一次補正まで終わらせたい人」に向いた機種です。画面の質と1.2kgというバランスがその作業に噛み合っているからで、そこを外すと、内蔵グラフィックスと端子構成の割り切りだけが目につく買い物になります。
出典と最終確認日
本記事は実機を使用していません。メーカー公式情報に基づく整理です。 実機の使用感の代わりに、公式仕様ページとニュースリリースを突き合わせて次の3点を確認しました。UX5406AAとUX5406SAをプロセッサー末尾の記号(H/V)で見分ける方法、比較した3機種のいずれもカードリーダーを搭載していないこと、バッテリー駆動時間とディスプレイ輝度が2026年7月26日時点で公式未掲載であること。
出典(すべてメーカー公式)
- ASUS公式ニュースリリース(2026年2月25日付) https://www.asus.com/jp/news/xnzuocj7kil61mgl/
- ASUS公式 Zenbook S 14 (UX5406) 技術仕様 https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-s-14-ux5406/techspec/
- ASUS公式 Zenbook DUO (UX8407) 技術仕様 https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/zenbook/asus-zenbook-duo-ux8407/techspec/
- Dell公式 XPS 14 ノートパソコン (2026) https://www.dell.com/ja-jp/shop/dell-laptops/xps-14-laptop-2026/spd/xps-da14260-laptop
最終確認日: 2026年7月26日
価格・仕様・同梱ソフトは変動します。購入前に各販売ページで最新の情報を確認してください。


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